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不明DCモータの測定

FM50A

●手っ取り早く知りたい

 という方のために結果から書きます。現品.comで売ってるFM50Aと書かれたモータです。 その前に一応注意をば、ココに書く数値は素人が温度計も見ないでキッチンスケールなどで測定したもので、かなりイイカゲンかもしれません。あくまで目安程度にしてください。 修正できればしますので問題があれば言ってください。(そのために方法を書いてます)
FM50Aの特性
3V時トルク[gf-cm]回転数[rpm]電流[mA]電力[mW]仕事率[mW]効率[%]
拘束 29 0 640 120 0 0
適正負荷 7.25 5895 216 648 438 67.5
無負荷 0 7860 75 225 0 0
このDCモータの特性

一般的なDCモータの特性

●何をハカルか

 ここから始まるんです、なんと。 DCモータのカタログには、質量、寸法、電圧、起動トルク、起動電流、無負荷回転数、無負荷電流、適正負荷、適正負荷回転数、適正負荷電流、などが書いてあります。 何をハカレばよいのでしょうか?どうやってハカルのでしょうか?どの漢字を使えばよいのでしょうか?

 一般的なDCモータの一般的な特性はどんなものか調べたところ、以下のことがわかりました。

  • 電圧一定で、電流はトルクに比例して増加する。
  • 電圧一定で、回転数はトルクに比例して減少する。
  • 適正負荷で運転すると長持ちする。
  • 適正負荷は最も効率よく運転できる負荷。
  • 起動トルクは回転数が0rpmの時のトルク
  • 測定器を用いてハカル時は「測る」

     トルク対電流の直線と、トルク対回転数の直線が判れば他の値は計算で出せそうです。 直線は2点で拘束できるので、起動トルクと無負荷回転数、それらのときの電流を測ればよさそうです。 なので、右上図の緑点付近を測ります。

    ●測る

    起動トルク起動トルク
    モータの軸から1cmの所で何グラムの力を加えられるか測ります。 力の計測には電子キッチンスケールを使います。 電子キッチンスケールは上皿のどこに試料を載せても同じ値を表示することを確認しておきます。 ピニオンギアに回転軸と垂直な穴を開け、ネジを切ります。 穴にネジを挿し、ネジ頭とモータ軸との距離が1cmになるところまでネジを回します。 ネジ頭をキッチンスケールの上皿に接触させ、 ネジと上皿とが平行になるようにモータを固定し、モータに電圧を加えます。

    無負荷回転数無負荷回転数
    同じように軸と垂直な穴を開けたピニオンを黒く塗り、この穴を透過型フォトインタラプタで見ます。 その出力をデジタルマルチメータの周波数カウンタ機能でカウントします。 この場合、半周毎にカウントするため、2倍の値が周波数[Hz]で出てくるので、1分間の回転数rpmにするには2で割って60倍します。

    効率
    効率は消費電力と仕事率の比で、( 仕事率 / 消費電力 ) のことです。
     消費電力[W] = 電圧[V] * 電流[A]
     仕事率[W] = 力[N]*速度[m/s] = (トルク[gf-cm]*9.8/100) * (回転数[rpm]*3.14*2/60)
    これをエクセルに計算させてみました。測った緑点4個の値と電圧を入れるだけで他の値を計算し、グラフを表示してくれます。motor.xls (112kB)
    このファイルには5Vで測定した結果も入ってますが、5Vでは効率が大幅に落ちるようです。

    ●値の信憑性

     素性のわかっているモータを同じ方法で測定して、メーカのデータシートと照らし合わせた時おおむね合っていれば信憑性が増します、よね。ということで、【MABUCH FC-280SA-16200】を測定しました。
    定格電圧12V無負荷回転数無負荷電流適正負荷回転数適正負荷電流適正負荷起動トルク起動トルク電流
    データシート10000rpm70mA8470rpm390mA33.7gf-cm220g-cm2150mA
    測定結果9960rpm65mA8217rpm340mA35.0gf-cm200g-cm1640mA
    有効数字1桁ということで。

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