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ポータブルMD救済

 昔、ぽーたぶるMDが死んでしまいました。
 あきらめてそれから1年ほどそのままでしたが、最近半年前から使っていたRioVoitを売ってしまい、その後継機となるはずのSlimXの発売が予想より5ヶ月も遅いので急遽救済することになりました。

●症状

 初期:時々MDを入れても認識しない。出入れすると認識する。
 中期:出入れしても認識しない、クリーニングすると認識する。
 末期:MDを交換するたびにクリーニングなければならない。
 死亡:クリーニングMDでさえ認識しない、NO DISKと表示される。

●患者

Panasonic SJ-MJ5
 1997年11月23日東大の文化祭を見に行った帰りに秋葉原で2万円で購入、1年使うと初期症状が、3年目には死亡した。MP3に乗り換えたのでそのまま放置。
 スペック:15時間連続再生、当時最小「新開発ピックアップ」を採用していた、胸に着けたまま表示が読める10文字表示液晶リモコン、など

●診断

 最初、クリーニングMDでクリーニングしても改善されなくなったことからピックアップの寿命かと思われた。 他に、MDを回転させるモータの回転軸が傾いている、ピックアップのばねが劣化している、メーカによるタイマー等が考えられた。 これらは非常に精密な加工技術とそのための工作機械が必要なので、修復は断念した。
 しかし、最近ピックアップの所まで分解してみると、ピックアップは右のようになっていて、レンズクリーナMDではレンズの表しかクリーニングされず反射鏡やプリズム、レンズの裏側はクリーニングできない。よって、反射鏡かプリズムが汚れている、という希望が見えてきた。どうすればこんな奥のほうが汚れるのかは疑問だが...。

●治療

 ピックアップを取り出し、反射鏡とプリズムの表面を中性洗剤で水洗い。
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 取り出した問題のピックアップモジュール。
 ここまではドライバ一本で分解できるが、ここから先はコネクタもねじも無く、溶接とボンドで付いている。よって、これの分解,再構築には高い技術が必要。
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クリック拡大  ピックアップモジュール裏面拡大
 この「D 073586」と書いてある箱の中にはレーザー発振機とピックアップが入っている、この箱の穴から水が入ると修復不可。そこで、右のようにアルミ箔を小さく切ったものでマスキングしてみた。
 手前の斜めになってる透明な物は、出て行く光と戻ってきた光を分けるプリズム(たぶん)その手前に反射鏡の断面が見える
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 洗浄中。。。
 洗剤は台所にあった食器洗い用の中性洗剤を50%位に薄めたもの。それを洗うところにだけスポイトで少しずつ流し込む、注射器があればなお宣。
 洗剤を使ったら完全に水で落とさないと、乾かした時逆に汚れてしまう。同じように水をスポイトで20分位流し続ける。最後に蒸留水(コンタクトの洗浄に使うやつ)で流せば理想的。


●術後

 MDの認識に少し時間がかかるが、なんとか認識でき再生できるようになった。たまに認識できない時がある、これはピックアップの寿命だと思う、レーザー発信機のとこについてた可変抵抗を回して改善できるかもしれない。

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